こんにちは〜、奈良のブランディング・デザイナーの福岡ひとみです。
先日吉野川にラフティングに行ってきました。吉野川でそんなことができるなんて、知りませんでした!
今日は、「奈良のおかみふきん」のご依頼をいただいたときに感じた、「商品をつくるときに”ストーリー”が大切な理由」についてお話します^^
奈良県旅館・ホテル組合の女将さんのつくる、「奈良のおかみふきん」のリニューアルを、パッケージデザイナーの三原美奈子さんとともにさせていただきました。
三原さんのデザイン。
こだわりは、このインパクトある素敵なデザインもさることながら、
「紙パッケージ」にしたこと。もともとはプラ袋にラベルが入っていました。
わたしのほうは、奈良の女将さんたちのこだわりのふきんということと、
三原さんの素敵なパッケージデザインを活かすために、
ストーリー作りを含めたパンフレットやPOPなど販促物を担当させていただきました。
購入サイトもお手伝いしました。^^
実は奈良って、「ふきんの聖地」といっても過言ではないくらい、ふきんがたくさんあるんですよね。
なぜかというと、実は奈良は「蚊帳」などが伝統工芸で100年以上の歴史があるんです。時代は遡るとなんと奈良時代!!には、麻の布を作っていたようで、そこから産業として派生したようですね。
それでその会社さんたちが、ふきんを作ったのが奈良にふきんがたくさんある理由です。
それなので、パッケージリニューアルだけではなく、販促物を作成するために、
どこが他のふきんと違うのか?を語ったほうが印象に残るな、って思ったんです。
もちろん「奈良の旅館の女将さんたちがこだわり抜いて作ったふきん」だけでストーリーにはなるし、一生懸命!!商品づくりへの熱い想いやこだわりを伝えてくださったので特徴はたくさんあり、
「丈夫で長持ち」
「よく乾き、よく落ちる」
「手触りが良い」
「天然レーヨン」…などなど、機能的な価値が言葉として上がってきていたんですね。
だけど。その「言葉」の表現だけでは、ちょっと弱いと感じたんですよね。
みなさん気づかれているかと思いますが、現代は、人がものを買うとき、ブランディングするときにおいて、そういった「機能的な価値」とともに、「情緒的な価値」というものを重視する時代です。
ん??「情緒的価値」って?
その思われたあなたは、ぜひこれを覚えていてください。
商品や事業の良さというのは、「機能的価値」という基本的なことがあります。
それは、たとえばふきんだとしたら、上記にもあるように「よく乾く」「天然レーヨン」「糸が普通のふきんより多く使われている」など、商品の機能に関する価値になります。
が、しかし。実は現代は、もうこういったことだけでは、お客さんの心に響かない時代になってきているんですよね。
なぜなら、モノが溢れている時代だから。
ある程度商品の機能が良いというのは、もう当たり前の時代になっているから。
どれを選べて良いのか、多すぎてわからなくなっているからなんです。
お客さんから見て、「どうしてわたしはこれを選ぶのか?」という別の価値観が必要となってきているんですね。
そこで必要になってくるのが、「情緒的価値」という考え方。
たとえば
「手触りがよく、フワッとしている」
「天然レーヨンだから→土に帰るので地球に優しい」
「「モノを大切に最後まで」が奈良流エシカル」これなどはヒアリングの際に女将さんたちがおっしゃっていた、
「たくさん使ってくたくたになったふきんも、雑巾になって最後までおつとめしてくれます。床やガラスにも優しく、便利に使えます。物を簡単に捨てず、最後まで大切に使うこと。それは地球への感謝の気持ちにつながります。」
こんな奈良流の価値観を、取り逃さず(笑)入れています。
こちろんこれはパッケージで三原さんが考えられたように、「プラ袋ではなく紙を使いましょう」というエシカルな世界観から一貫性を通しています。
それらを、あらゆる販促物という色々な接点でお客様に伝えることが大事で、つぎのようなストーリーを作成しました。
いつも細かな気配りが求められる
旅館の女将さんたちが、
100年以上培われてきた
奈良の「蚊帳生地」の技を活かし
「使い勝手の良さ」を
とことん追求して生まれました。
丈夫で長持ち、乾きは早くて
汚れ落ちも抜群!
それは、毎日のお仕事に
欠かせないこだわりでした。
使えば使うほど愛着が湧く、
とっておきのふきんです。
これが、わたしがストーリーの土台を作ったもので、パンフレットに入れています。
(奈良のロシア雑貨のお店をされていて、ライター編集者でもある マールイ・ミール 小我野明子さんにお手伝いいただきました。)
こうすることで、女将さんがパタパタと忙しく働いているかわいい姿が目に浮かばないですか?^O^
モノやサービスがあふれている時代、お客様の頭の中で「おかみふきんのイメージ」をふくらませていただくこと。
商品に対する良いイメージが、購買につながる、ということなんですね。
三原さんのパッケージデザインはやはりとても素敵で(もともと私が密かにファンだったのでお願いしましたw)右下の折返しは、女将さんの着物の裾を表現しています。こういったことも、気づく人には刺さりまくる、控えめなオシャレさですよね!
そういう、「旅館らしさ」というイメージを強めるために、撮影も実際の奈良の旅館をお借りしてやりました。
パッケージ印刷もさすが、色校でしっかりギリギリまでこだわりしていた三原さんです。(なんと一緒にポートアイランドの印刷会社さんまで行きましたw)
そんなこんなで、「旅館のおかみさん」をイメージしてもらえる。
お客様のこころの中で、そんなイメージが共有される。
といったことを考えてすべての接点で一貫性を通した、お話でした。
つまりこれが、ブランディングのグラフィック表現方法です。
以前担当した「奈良の女将のお酒「大和の露(やまとのつゆ)」」記事はこちら
奈良県奈良市のブランディング・デザイン事務所 napnap design。
『あなたの会社の想いや魅力がお客様に伝わるブランドづくりを土台においたデザインを』
会社や事業の独自の価値が相手に響く伝わるクリエイティブが得意です。
ブランド・マネージャー認定協会 1級
「想いや違いを伝えたいけど伝わっていない…」そんなお悩みを解決します。
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